【現場を変える】を、2021年のテーマに考える弊社の取り組みを業界新聞紙『警備保障タイムズ 2021年4月11日発刊 301号』の、5面に掲載していただきました。
道路上での交通誘導警備をしてみようと応募、入社、研修、現場着任となった方が、現場着任1日目で退職しようかと悩む理由の一つ、また、長年勤務していても、どうにもならないこと。
それがトイレの問題だと思っています。
「トイレが近くて、我慢できないから」退職される理由の一つで挙げられます。
在職していただいても、その対策に頭を悩ませている方も多くいらっしゃいます。
昨年のコロナ禍で、トイレが借りれなくて困った経験がある方も多いでしょう。
私たちは、道路にいます。公共のトイレが借りられなければどうしたらよいのでしょうか。
打開策として、従業員全員に緊急用の簡易トイレを配布したりもしました。しかし、それは抜本的な労働環境の整備にはならず、心温まる対応のようで、実は非情な面をもっている対策ではないかと疑問を持ちました。用を足したくなったら、見えないところで、羞恥心に打ち勝っていただきたい。自分でなんとかしていただきたい。という無言のメッセージを送っていたのではないか。
そうは言っても、緊急性のある場合は、非常事態の手段として持っているだけで安心材料になるとは言われました。
このトイレの問題は、現実的にほとんどの現場で働く方の普通であると認識しています。それが、いまだに業界の常識だと思っています。
それではいけない。もっと抜本的な対策はないか??
そこで、トイレを現場に向かわせたら良いのではないか?と探したところ、トイレカーの存在を知りました。
しかし、単純にトイレを車に乗せるのではなく、少しでも不快感を減らせる方法はないかと導入する際にも、試行錯誤しました。
キレイでなければいけない。
「現場のトイレはキタナイもの。」というイメージを、レッテルを、変えたい!!
まずは、水洗、そして出来ることならば、手が洗える!
用を足したものが普通の生活と同じように水で流せる!
何より「普通の生活」と同じように、「普通に」近づけていくことが大事だと考えました。
災害復興の現場を見て、感じたこと。「普通であることの大切さ」
業界にとっての普通ではなく、新しく働いていただく方にとっての「普通」は、私たちの普通とは違う。
「私たちの仕事は特別なんだ。この仕事の環境に合わないから退職してしまうのだ。」という考え方は間違っていた。
「この環境は変えられないもの」という常識を変えるのだ
私たちのもっているプロ意識、現場経験が、知らず知らずのうちに、業界常識というエゴ、文化として確立されてしまっており、そのことが、解決されなければ、私たちの望む現場には至らないのではないかと思うようになりました。
変えられないものなどない。自分たちの常識を疑うことから始めなければいけない。
女性の警備員さんを増やしたい。キレイな絵空事を並べても、なかなか増えません。
施設警備や、建設現場、イベント会場では、見かけることが増えました。
なぜ、道路工事の現場に応募がないのだろう。
危険だから?キタナイから?キツそうだから?
そのイメージを払拭すべく、キレイな服装から見た目から直しています。でも、その見た目だけではなく、
もっと根深いものに手をつける時期ではないかと思いました。
こちらから入社していただくための環境整備をしなければ、いけないと思っています。
制服のキレイさや、身の回りの清潔さは、当然です。
私たちの仕事の魅力を感じていただく前に、労働環境に負けてしまう問題は、解決しないのではないかと考えています。
「もう少し続けてくれたら、きっと、仕事が面白くなるよ。」という言葉の絆創膏を、もっと違うシーンで使えるような仕事にしたいです。
この仕事を志望して、働きたいと思ってくれる方が、もっともっと増えるように職場環境を、整備していきたいと思っています。そのため、トイレカーではなく、皆さんの心の安全を、サポートする「安心サポートカー」と命名しました。
「安心サポートカー」を運転していただく担当の方にも感謝しております。本当に、誰かのために動いてくれているからです。
新型コロナウィルス感染症対策についても、引き続き多くの取り組みをしなければなりません。
導入から1か月が経過しました。現在地域限定で運用しているとはいえ、利用回数は合計月100回以上になりました。感染症対策も取り組みながら、まずは試験運用で問題をしっかりと抽出します。「安心サポートカー」が走ることで、現場で働きやすいという、たくさんの声が聞こえるようサポートしたいと思います。